access01 arrow01 arrow02 mail01 qa01 file-text-o file-pdf-o file-word-o file-excel-o file-powerpoint-o sticky-note-o clone

教員プロフィール Profile

保科 貴亮ほしな たかあき

准教授

保科 貴亮准教授 写真
メールアドレス hoshina.takaaki
メールの送信時にはネームの後ろに@nihon-u.ac.jpを追記してください。
居室 29号館409号室  研究室紹介
専門分野 物理化学・溶液化学・化学工学
担当科目 電気化学・電気化学(S)・プロセス工学・プロセス工学(S)・ゼミナールⅠ・ゼミナールⅡ・応用分子化学演習Ⅲ(S)・応用分子化学実験Ⅲ(S)
生年月日 1973年9月7日
出身地 福岡県筑紫野市
お薦めの本 「マッカーリー・サイモン物理化学 分子論的アプローチ(上)・(下)」(東京化学同人)
「オシムの言葉(文庫版)」(木村元彦著・集英社)
経歴
2000年3月
同志社大学工学部 機能分子工学科 卒業
2002年3月
同志社大学大学院工学研究科 工業化学専攻 博士前期課程修了
2005年3月
同志社大学大学院工学研究科 工業化学専攻 博士前期課程修了
2005年4月
同志社大学 工学部研究員
2005年7月
東北大学大学院工学研究科附属超臨界溶媒工学研究センター研究機関研究員
2007年5月
東北大学大学院工学研究科 助教
2009年4月
東北大学大学院理学研究科 助教 (グローバルCOEフェロー)
2010年4月
日本大学生産工学部 応用分子化学科 助教
2013年4月
日本大学生産工学部 応用分子化学科 准教授

研究テーマ・概要

研究概要

化学プロセスの多くは溶液中で行われており,反応場である溶媒に何を選ぶかは非常に重要である。溶媒の選び方には大きく2通りあり,ひとつは溶媒となる物質を変えること,もうひとつは溶媒の温度・圧力を変えることである。環境を配慮した溶媒の選択が重要視されている現在では,環境に配慮した溶媒の温度や圧力を変化させ溶媒の物性を変えることによって,常圧下では環境に対して有害な溶媒でしか起こらない化学反応が可能となる報告例は多い。さらには,第二成分を加えた混合溶媒にして,温度・圧力だけでなく組成を変化させることによって,混合溶媒を反応場として化学プロセスに応用することも期待されている。しかし,広い温度・圧力範囲における,溶液中の化学反応に対する溶媒効果や反応の最適条件に関する基礎的知見の蓄積はまだ十分とはいえない。水素結合と極性を併せ持つ水およびアルコール類を中心とした溶液の物性(密度・粘度・誘電率など)を調べ,その温度・圧力および組成の効果を検証し,反応場としての溶媒の機能性や溶液中の反応種の挙動に関する基礎的知見の提供を目指す。

主要研究テーマ

  • 高温高圧下における水素結合性流体を溶媒とした二成分混合溶液の誘電物性測定
  • 電解質溶液中におけるイオンの電気伝導に対する温度および圧力効果
  • 混合溶液の体積挙動に対する圧力効果およびその予測手法の構築

研究論文

  1. Tomoki Matsui,Taka-aki Hoshina,Noriaki Tsuchihashi,Kazuyasu Ibuki,and Masakatsu Ueno  Electric conductivities of 1:1 electrolytes in high-temperature ethanol along the liquid-vapor coexistence curve.II. Tetraalkylammonium Bromide,J.Chem.Phys.,Vol. 134, 124509(2011).
  2. Koji Takahata, Taka-aki Hoshina, Noriaki Tsuchihashi, Kazuyasu Ibuki, and Masakatsu Ueno, Electric conductivities of 1:1 electrolytes in high-temperature ethanol along the liquid-vapor coexistence curve. I. NaBr, KBr, and CsBr., J. Chem. Phys., Vol. 132, 114501-1~10 (2010).
  3. 上野正勝,保科貴亮,土橋倫昭,伊吹和泰,気液共存線近傍におけるメタノール中の 1 価イオンの並進運動に対する密度効果,高圧力の科学と技術, 18, 147-153 (2008).
  4. Mayako Takahashi, Yuichi Aizawa, Masaki Ota, Taka-aki Hoshina, Masaru Watanabe, Yoshiyuki Sato, and Hiroshi Inomata, Hydrogen Production from Glucose by Partial Oxidation in High Temperature High Pressure Water–1: Study on Reaction Condition and Effect of ZnO, Journal of the Japan Institute of Energy, 87, 706-712 (2008).
  5. Mayako Takahashi, Masaki Ota, Taka-aki Hoshina, Masaru Watanabe, Yoshiyuki Sato, and Hiroshi Inomata, Hydrogen Production from Glucose by Partial Oxidation in High Temperature High Pressure Water–2, Reaction Mechanism and Rate of HCOOH Decomposition, Journal of the Japan Institute of Energy, 87, 713-718 (2008).
  6. Tsutomu Aida, Ai Yamazaki, Makoto Akutsu, Takumi Ono, Akihiro Kanno, Taka-aki Hoshina, Masaki Ota, Masaru Watanabe, Yoshiyuki Sato, Richard L. Smith, Jr., and Hiroshi Inomata, Laser-Doppler vibrating tube densimeter for measurements at high temperatures and pressures, Rev. Sci. Instrum. 78, 115111-1~3 (2007).

所属学会及び学外での活動

所属学会

日本化学会・化学工学会・高圧力学会
第40回国際化学オリンピックイギリス大会 メンター(2009年7月17日-26日)

研究室紹介

日秋・保科研究室(化学システム工学)

教授 日秋 俊彦
メールアドレス hiaki.toshihiko
メールの送信時にはネームの後ろに@nihon-u.ac.jpを追記してください。
准教授 保科 貴亮
メールアドレス hoshina.takaaki
メールの送信時にはネームの後ろに@nihon-u.ac.jpを追記してください。

流体物性測定による溶液内分子間相互作用の解明と流体の高度利用

化学反応が起きるのはほとんど気体や液体といった流体中です。教科書に書かれている化学反応式を見るとき,反応物質の電子のやり取りにばかり目を奪われてしまい,どんな流体中でどのような温度・圧力で反応が起こっているのかをあまり気に留めなかったかも知れません(この文章を書いている私も実はそんな経験を持つ一人です。)。
流体の性質は物質だけでなく,温度や圧力によって大きく変化します。我々が生活している大気圧(1気圧)では,水は100℃で沸騰し液体から気体に変化するのは皆さんもよく知っていると思います。ところが,200(Cで圧力を50気圧かけると水は液体の状態を保つことができます。さらに沸点以上の温度での液体状態の水は,室温(25(C,1気圧)で溶けなかった有機物を溶かすなど室温の水とは異なる性質を示すことが分かっています。
流体の性質は温度や圧力だけでなく,何が溶けているかによっても大きく異なります。水と工汐ノールを50 mL ずつ混ぜると混合溶液の体積は100 mL より小さくなります。これは水とエタノールの相互作用によるものです。溶けているものが有機物であるか無機物であるか,電解質か非電解質かでも分子間の相互作用は異なります。しかも,溶液の濃度(組成)を変えることで相互作用のしかたも変化します。
つまり,温度や圧力および濃度を変化させて流体(溶液・溶媒)の性質をコントロールすることにより,目的とする反応物を合成することができるだけでなく反応のメカニズムを解明することができるのです。環境調和・持続的な社会を唱える現在において,環境負荷の高い溶媒を使わなくても水や二酸化炭素やエクノールなどの屎境負荷が小さい流体の物性を用いることにより,目的に応じた反応プロセスを自らの手で構築することができるかも知れません。
この研究室では水素結合や極性分子を持つ流体に注目し,"ものつくり"のための流体の性質(物性)を物理化学的手法・電気化学的手法・化学工学的手法を用いて測定しています。流体の物性に対する温度・圧力依存性(溶液であれば物性の組成依存性も含む。)を通して,溶液構造や分子間相互作用を明らかにするだけでなく,反応の高効率化,反応条件の最適化,分離・反応プロセスの設計,流体利用に対する安全指標の確立などを目指しています。

主要研究テーマ

  • 水素結合性流体を用いた二成分混合系の誘電物性測定
  • 高温水溶液系の誘電スペクトル測定
  • 高温高圧誘電物性測定装置の開発
  • 高圧下における液相二成分混合系の密度測定と体積挙動の解析
  • 体積可変セルを用いた相平衡挙動の観察
  • 電解質溶液中のイオンの電気伝導特性
  • 鉛蓄電池再生機構の解明とその最適条件の探索
  • 分子動力学シミュレーションを用いた溶媒分子の分子運動解析 など